妊娠糖尿病をめぐって-成因・定義・治療・予後-
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
妊娠糖尿病は、1型、2型糖尿病と共通した発生機序、すなわちインスリン分泌低下とインスリン抵抗性が基盤にあり、妊娠を機にそれらが顕在化した状態である。2008年、糖尿病より軽症の母体高血糖と周産期合併症との関連を検討した国際的大規模臨床試験(HAPO study)の結果が報告され、2010年3年、IADPSGより世界共通の妊娠糖尿病の新しい診断基準が提唱された。それを受け、日本糖尿病・妊娠学会より「妊娠糖尿病診断基準変更に関する委員会報告」が発表され、わが国でも妊娠糖尿病に関してその分類と診断基準が変更された。新しい分類では、妊娠時に診断された明らかな糖尿病(overt diabetes)は妊娠糖尿病に含めず、75gOGTTの新基準は空腹時92 mg/dl以上、1時間値180 mg/dl以上、2時間値153 mg/dl以上のいずれかを満たすものとされた。新基準により妊娠糖尿病診断はより厳格になったが、周産期合併症や将来の糖尿病発症予防のための適切な管理の確立が必要である。
- 2011-03-31
著者
関連論文
- 36年間の2型糖尿病の治療中に抗GAD抗体が陽性化し1型糖尿病を発症した高齢糖尿病の1例
- 1. CAPD療法後に被嚢性腹膜硬化症をきたし在宅IVH療法を導入した1例(一般演題,第17回東京女子医科大学在宅医療研究会(2001年1月13日))
- 糖尿病妊婦と酸化ストレス(糖尿病と活性酸素,東京女子医科大学学会第316回例会)
- 糖尿病妊婦における血中Phosphatidylcholine Hydroperoxide (PCOOH)リベルの変動
- 下垂体腺腫摘出後に非アルコール性脂肪肝炎を発症し, 肝硬変に至った糖尿病の1症例
- 糖尿病を発症した経腸栄養療法施行中の重症心身障害児に持続皮下インスリン注入療法(CSII)を用い良好な血糖コントロールが得られた1例
- 新しいインスリン製剤
- インスリン受容体異常症A型に対する19年間のIGF-1治療
- 2.糖尿病妊婦と酸化ストレス(指定演題2,第316回東京女子医科大学学会例会 第7回フリーラジカル東京フォーラム共催「糖尿病と活性酸素」,学会)
- 体外受精により妊娠出産に成功した糖尿病妊婦の2症例
- C型慢性肝炎に対するインターフェロン治療中に発症したインスリン依存型糖尿病の1症例
- 複雑性尿路感染症を合併したMODY5の1例
- 妊娠糖尿病をめぐって-成因・定義・治療・予後-
- チアマゾール投与中に薬剤熱を認めその後に顆粒球減少をきたした多腺性自己免疫症候群3型の1例