赤文字系雑誌の80年代とその変容 : 雑誌『CanCam』を中心に
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概要
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本研究は,Angela McRobbieが行った『Jackie』の分析視角を『CanCam』に適用した試論である。1982年1月に創刊された『CanCam』(小学館)は,現在のイメージとは相反して大学生活をエンターテインメント化し,その架空の舞台を通じて,ファッションや恋愛の情報を提供する雑誌であった。ところが,80年代の好景気と雇用機会均等法の施行という背景を受けて,徐々に誌面の中での高級化が進行した。高級化とは単に情報として提示される服の価格の上昇ということではない。すなわち,服を用いて表現されるアイデンティティにステータス意識を持ち込むことによって,創刊当初の大学生活の舞台とファッションが犠牲になり,ステータス意識のある女性像が構築された。その結果,誌面にはブランドを推奨する記事があふれた。それは単にブランド好きということではなく,ステータス意識をもつ女性像に必要なものとして提示され,正当化をほどこされている。また,異性目線によって作られていたファッション記事は,ステータス意識を持つ女性が語る「自分らしさ」という言葉に代表されるように,自分あるいは同性の目線で作られる記事へと変容した。
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