多感覚的に解読する相手の"真意" : 顔と声による視聴覚情動認知の比較文化研究(実・仮想空間の知覚・認知,一般)
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概要
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他者とのコミュニケーションにおいて円滑な関係を維持するためには,相手の情動を正しく認知することが不可欠である.話し手は言語内容に加えて,表情,身ぶり,声の調子など,ありとあらゆる非言語情報も利用して情動を表現している.こうした多感覚的な情動表現の認知様式には文化差がある可能性を指摘できる.そこで,話し手の顔と声が表現する情動を独立に操作したときに,聞き手は相手の情動をどのように認知するのかを日本人とオランダ人の間で比較した.実験の結果,日本人は顔判断時には声からの影響が大きいのに対して,声判断時には顔からの影響は小さく,一貫してオランダ人よりも声への依存性が高かった.この結果は,文化は多感覚情報に対する自動的な注意バイアスに影響を与えることを示唆している.
- 2010-11-06
著者
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