爪の力学的変形による爪床の変色の解析
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概要
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指の爪は,物体を掴む,ひっかく,小物を摘む,指を保護する時に重要な役割を果たしている.このような動作に関連し,爪本体に力が加わると爪が変形し,その影響を爪床が受けるために爪床の色が変化することが確認できる.この現象を利用すれば,爪床の変色を計測することにより,爪の変形が予測できると考えられる.爪の変形と爪床の変色の関係性を解明することは,爪の損傷に対する防止策やその治療法の開発,治療効果の判定に応用できる可能性があり,医学および工学の分野において有用であると思われる.そこで,本研究では,手指の爪に荷重を加えた時に生じる爪の変形と爪床の色変化の関係を解析した.実験では,被験者の爪先に糸を接着し,糸の末端に0.1N,0.2N,0.5N,1N,2N の分銅をつけることにより,爪先端に荷重を加えた.次に,各荷重での爪床をカメラで撮影し,コンピュータに入力した.入力した画像から爪の部分のみを切り出し,爪画像の各画素のRGB 各成分の明度を開発したプログラムを使用して256 段階で取得し,それぞれの成分を独立させてファイルに保存し,グラフ化し比較検討した.また,爪画像において直線上にh 点,m 点,l 点をとり,3点でのRGB 各成分の変化を比較し,同時に,形状計測センサを使用して荷重を加えたときの変形量を計測し,それぞれ比較検討の参考とした.結果,R 成分はG 成分,B 成分と比較して明度が高く,G 成分とB 成分は荷重を加えていくことにより,R 成分に近づいていくことが確認できた.また,h 点,m 点,l 点の3点を比較した場合,R 成分の荷重による変化はどの点でも,その変化率に類似性があることが分かった.これにより,爪の変形量がR 成分の変化のみで予測できる可能性が示された.したがって今後,爪の変形の計測や各々のデータを1つにし,具体的な関係の解明や,色変化の医学的な検討をしていく必要があると思われる.
- 2011-03-31
著者
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