音楽科教育における「郷土の民謡」の教材としての有用性 : 秋田民謡を素材とした授業実践による生徒の変容を手がかりに
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概要
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本研究は,秋田民謡を取り入れた授業実践およびその分析,考察を通して「郷土の民謡」の教材としての有用性を探ることを目的とした。そのために民謡を学習しない統制群(男子36名,女子38名)と,秋田民謡を学習する実験群(男子17名,女子19名),秋田民謡と沖縄民謡を学習する実験群(男子17名,女子19名)の三つの群により比較考察した。その結果,SD法(20項目)による質問紙1では,秋田民謡のイメージについて「親近感」「音楽的特質」「価値観」の三つの因子が見出された。また,質問紙2(26項目)では,「愛好心の高まりと音楽観の拡大」「音楽的特質と肯定感」「郷土の民謡の価値と誇り」の三つの因子が見出された。これらの考察から,民謡を学習した群には,それぞれの地域がもつ伝統的な音楽文化を理解し尊重しようとする態度の形成が認められること,また,郷土の民謡の学習にあたっては,比較する教材を同時に取り扱うことが効果的であることが明らかとなった。
- 2007-12-25
著者
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