「問題解決社会科」授業論の構造 : 学校段階・学習領域の視点から
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概要
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本小論の目的は,教科の方法原理としての「問題解決」に依拠した社会認識教育(「問題解決社会科」)について,従来看過されがちであった中学校・高等学校という学校段階に着目し,小学校段階も踏まえた学校段階的視点からその授業論の構造を構築すると共に,実践に向けた学習領域別の授業論を示すことである。そのため,学校段階・学習領域という視点から,現行の社会認識教科目の制度的枠組みに沿って「問題解決社会科」を6つに類型化し,それぞれ典型的事例をもとにして,授業論を抽出した。その後,抽出された授業論に内包される構造を,取り上げる問題,解決へのプロセス,解決の状態,認識と資質の統一的育成という4つの視点から考察した。その結果,「問題解決社会科」授業論は,学校段階の発展に応じて,問題解決を目的化するものから問題解決を対象化するものへと進展する構造を持つ,という知見が得られた。
- 日本教科教育学会の論文
- 2004-06-30
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