新しい英語学力観における情意の取り扱い : 戦後における学力観の変遷の中で
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概要
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自ら学ぶ意欲と社会の変化に主体的に対応できるような能力が自己教育力だとすると,その一部の形成につながる英語コミュニケーション能力こそが新英語学力である。その英語学力構造については,認知面,技能面,情意面の3つの側面を認め,中でも情意面が核となって英語コミュニケーション能力が養われていくとした。一般学力でいう態度は情意を中心とし認知,技能をも踏まえた問題解決能力と解釈できるが,計測が難しかったり,しつけや特定のイデオロギーの押しつけという面があって学力からはずそうという考えもある。しかし,この態度は認知や技能と不可分であり,また授業を計画する場合にも既に態度を位置づける何らかの学力観が教師の頭に存在していると考えられる。しかもそのような態度は計画的に育成可能であるので,学力の構想からははずさない方が有益であるとした。現在は戦後の英語科教育の歴史の中で,広岡のいう円環運動に則して考えるとその第四期目にあたり,新しい態度能力と呼べるコミュニケーション能力を重視するようになったと歴史的に位置づけられる。
- 日本教科教育学会の論文
- 1997-06-25
著者
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