高等学校学業不振の生徒の理科指導上の諸問題 : 論理的思考の調査を基礎にして
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概要
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高等学校では,学校による生徒の等質性が見られ,いわゆる学業不振の生徒達中心の集団が一部の学校に形成されている反面,学業不振の生徒達に対する効果的な理科指導手法が未だ明確でない。本研究では,都内工業科定時制の先徒の調査から学業不振の生徒の論理的思考に見られる特徴の分析を行った。その結果,半数以上が具体的操作段階で特に相関の認識が難しいことが判明した。さらに学業不振児によく見られる解答傾向が出現し,主成分分析の結果得られた第2主成分を学業不振の生徒に特徴的な学習方略の「解答つかみどり」の主成分と解釈した。また,本研究では理科I化学領域の分析を通して指導要領レベルで要求される能力を検討し,学業不振の生徒にはより現象論的アプローチが必要なことを明らかにした。そしてカリキュラム作成の一方法論を示した。このように学業不振の生徒の論理的思考能力を知ることは授業設計をする際の前提条件を明確化し,教授方略決定の上で重要な資料となると考える。
- 日本教科教育学会の論文
- 1987-12-25
著者
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