家庭科の食物領域における量の指導に関する基礎的研究 : 量感の定着度について(I)
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概要
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家庭科の食物領域では,健康的な食生活を営むのに必要な栄養や献立,調理の学習をするが,学習者に量概念が定着していなければ,学習事項は生きてはたらく学力になり得ない。「量」については,小学校の算数や理科で基礎的学習が行われ,その後学習の機会が多いが,生徒たちの量に対する意識は必ずしも高くない。また「計量」は生きるための技術であるにもかかわらず,日本人は計量生活の面でおくれているといわれている。このようなことから,計量を食物学習の基本の一つとして位置づける必要があると考え,そのために必要な基礎資料を得る目的で,小・中・高・短大生について,目測による長さ・容量・重量の量感の定着度を調査した。結果は,量種別では長さの量感はきわめて定着度が高いが,容量・重量はきわめて低かった。また,学校段階の進行による進歩がみられ,量感を高め,量概念を確かなものにするためには,計量器を用いて正しく計る学習を強化する必要があるとの示唆を得た。
- 日本教科教育学会の論文
- 1986-08-31
著者
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