「養護型不登校」における教育デプリベーション : 補償教育システムおよび家族との協働の必要性について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本論は経済的不利を伴う家庭で生活する不登校児の実態を明確にし,支援の方向性を示唆した研究である.そのため最初に福岡県筑豊地域の民間フリースクールに通級する子どもたちの現状を紹介した.この地域の生活保護率は全国の10倍以上に上り,通級児たちの家庭もその過半数が生活保護世帯である.また彼らの多くは学力が大幅に低下しており,たとえ学校に復帰してもこのうち7割が通常の授業についていけない状況にある.またひとり親家庭(42%),親が精神または知的障害を伴っている家庭(25%)も多い.本論ではこうした社会的不利をかかえる家庭で生活する不登校児たちの中心課題を教育デプリベーションと位置づける.そのうえで必要な支援として,多層な補償教育システムの配備を提言した.また補償教育システムが有効に機能するためには親との協働が欠かせないという視点から,家族に対するアプローチについても検討している.
- 2006-03-31
著者
関連論文
- 「養護型不登校」における教育デプリベーション : 補償教育システムおよび家族との協働の必要性について
- 子ども虐待防止にむけた保育所、学校等の役割と課題
- 福祉ボランティアを通じた経験型実習導入の可能性(1)福岡県立大学周辺地域の社会福祉施設のリサーチ・スタディ
- 精神保健福祉士実習現場の現状から読みとれる養成機関側の課題
- 家族再統合論の吟味--「なぜ家族なのか」という問いかけ
- 社会福祉援助技術現場実習生の実習の意味について
- 同質グループを対象として専門職養成を行う場合のグループ・ワークについての研究 : グループワーカーの介入のあり方について
- 家族アセスメントにおけるジェノグラムの適用-日本の文化背景を考慮したジェノグラム解釈の視点-
- 思春期不登校の家族療法における夫婦(両親)葛藤-葛藤タイプとその臨床的とりあつかいに関する考察-
- 家族再統合の課題としての世代間葛藤--施設ソーシャルワーカーがおこなう日常的家族療法