7.プレキャストコンクリート板の接合部の耐力について

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プレキャストコンクリート板構造において,構造上最も重要な点は接合部の処理方法である。この構造の特色を最も鮮明にするためには,現場打コンクリート工事を出来る限り排除し,プレキャスト板の製品精度を高めて組立てに際し要求される逃げを最小限に止め,現場作業を単純化することが必要であるが,従来のドライジョイントの多くは逃げを求めるために形状が却って複雑となり,そのため製品精度の向上が妨げられてウェットジョイントに対しその利点を充分に発揮し得ないでいる憾みがある。従来のドライジョイントは鉄板にアンカー筋を溶接したものが主であるが,当研究室におけるアンカー鉄筋の引抜試験の結果によれば,この種の方法では引張と剪断を同時に受ける耐震壁接合部のアンカーとして耐力が十分ではなく,且板内の応力状態が不明確である。ここに提示する新しい接合法は完全なドライジョイントを目標とし,形状の単純化による製品寸度の高精度化,応力状態の明確化を意図して考えられたものである。本実験はこの新しい接合法の耐力性能を検討し,併せてこの接合法による連続プレキャスト板の破壊性状を知るために行ったもので,大凡実大寸法の1/2〜1/3の模型により鉄筋軽量コンクリート板を対象として実施した。
社団法人日本建築学会の論文
1964-03-23

7.プレキャストコンクリート板の接合部の耐力について

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