ソフトウェア信頼度成長モデルにおけるAICの適用条件に関する考察
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概要
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実測データに対するソフトウェア信頼度成長モデル(SRGM)の適合性の評価にAICを用いることがある.特にモデルパラメータ数の異なるSRGM同士の適合性の比較評価では重要な役割を果たす.これ以外にも実測データを複数のモデルの組み合わせとみなしていくつかの部分に分割する場合の分別点の妥当性の判断に利用されることもある.しかし,AICは対象とするデータ数が少ない場合には,その定義式が成立しなくなることはよく知られている.本論文では,SRGMの適合性の評価基準としてAICを用いる場合の適用条件をシミュレーションによって求めた結果を報告する.シミュレーションによると,AICの実用上最低限の適用条件は,データ区間数がモデルの自由パラメータ数の2倍以上であり,かつ総欠陥数が50以上であることである.データ区間数に関する適用条件はAICの適用条件に関して従来から言われていたことがSRGMの世界でも成り立つことを裏付けている.一方,総欠陥数に関する適用条件は新しいものであり,SRGMの世界でAICを実際に利用する際に役立つものと思われる.
- 2010-03-01
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