型付けによるファイル間データ非干渉の検証
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概要
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個人情報がコンピュータに管理されることが多くなり,その管理・操作を行うプログラムには,個人情報漏れを起こさないことが強く求められる.そういったプログラムに対して情報流解析を行い,その解析で得た情報が非干渉性を満たすことで,情報漏れが起きないことを保証できる.情報流解析とは,情報の依存先を求める解析であり,非干渉性とは,公開情報が機密情報に依存していないことを示す性質である.Guernicら(2005)は情報流解析に関する研究として,機密度が高い,低いという型情報を用いて,機密度の低い情報が高い情報に依存していないことを保証し,情報漏れが起きない体系を示した.しかしこの体系には検出できない情報漏れが存在する.本研究ではこの体系に対して,ファイルの概念を追加した.ファイルにはアクセス権限を設定するので,各ファイルにアクセス可能なユーザの集合が定まる.そのユーザの集合を型情報として用いることで,ユーザ間での情報漏れも起きないことを保証できる体系を提示した.提示する定理により,アクセス権限を考慮した情報漏れも検出できる.これはGuernicらの定理にファイルの概念を取り入れたものである.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2010-03-01
著者
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