シグネチャファイルの新しい構成方法のテストデータからの評価

概要

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文献検索で,転置ファイルとともに,シグネチャファイルは古くから用いられてきた.シグネチャファイルはフォルスドロップを生じる欠点がある.本研究ではフォルスドロップが 0 になるようなシグネチャファイルの新しい構成方法を提案し,テストデータから評価した.文献数 1793,キーワード数 1360 の転置ファイルを用いて転置ファイルとシグネチャファイルの性能を比較した.シグネチャファイルをつくるプログラムと転置ファイルを Golomb 符号により圧縮するプログラムを比較したところ,メモリ量,処理時間の面で転置ファイルの方が優れていることが分かった.また,両者の検索プログラムを比較したところ,メモリ量,検索時間の面で転置ファイルの方が優れていた.一方,転置ファイルでは,各文献が含むキーワードのリストから各キーワードを含む文献のリストを作らねばならず,その分メモリ量と処理時間がかかることが分かった.また,プログラムの行数はシグネチャファイルの方が小さく,簡潔なプログラムを書けることが分かった.以上からいくつかの点ではシグネチャファイルの方が転置ファイルより優れていることが確認された.
2010-07-28