民俗芸能の現場から捉える身体動作の伝承-後続者への変化を保障する民俗芸能の記録に向けて-
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概要
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近年、民俗芸能の記録はモーションキャプチャに代表される動作計測に関する技術的進歩により、人の動きを非常に精密に、かつ立体的に捉えることを成功している.このような最先端の機器を用いた記録への技術的応用に関する議論の一方で、そもそも 「伝承」 とはどのような行為なのかという議論も心理学や民俗学を中心として起こり始めている.本稿では伝統を維持しつつ、変化を保証するものとして 「伝承」 という行為を捉え、いかに伝承者が先行者から継承したものを後続者に伝えているかを明らかにすることを通じて、どのように伝統の変化を保障しているのかということを明らかにする.具体的には数世代にわたって伝承されてきた民俗芸能を対象にフィールドワークを行い、伝承者が後続者に伝えようとしている内容やその内容を先行者からどのように継承してきたのかということを示す.そして、このような伝承者の世代間における意味づけを通して、「伝承の変化に対する保障」 に関する新たな知見を提示し、連続性を保持しつつ、伝統芸能の記録を行う視点を提供する.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 2009-05-16
著者
-
やまだ ようこ
京都大学
-
渡部 信一
東北大学大学院教育情報学研究部
-
やまだ ようこ
京都大学教育学研究科
-
やまだ ようこ
京都大学大学院教育学研究科
-
竹内 一真
京都大学大学院教育学研究科
-
やまだ ようこ
京都大学教育学研究科教育方法学講座
-
渡部 信一
東北大学
-
渡部 信一
東北大学大学院教育情報学研究部・教育部
-
渡部 信一
東北大学大学院
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