噴火湾における植物プランクトン組成の季節変化(シンポジウム:噴火湾の物質循環における春季珪藻ブルームの役割)
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概要
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噴火湾沿岸における珪藻と渦鞭毛藻の種組成を,1993年〜1998年の6年間にわたり定点調査し,その季節変化と経年変動を過去の知見と比較し整理した.その結果,春季珪藻ブルームは毎年2〜3月に認められ,優占種はChaetoceros spp.とThalassiosira spp.であった.珪藻は春季珪藻ブルーム後も細胞密度において優占し,夏季〜秋季の優占種はSkeletonema costatumとChaetoceros spp.およびNitzschia spp.であった.これらの優占種は過去にもよく報告されてきた種であった.また,渦鞭毛藻は一般に春季珪藻ブルームの終結後に増殖し,4〜6月にかけて水温躍層が顕著に形成されたとき,細胞密度において最大となった.他方,地域の重要水産資源である養殖ホタテガイの摂餌量は,2〜3月の深度25m以浅の湾内全域における一次生産の約4%と見積もられ,ホタテガイは春季珪藻ブルーム期間の一次生産を高度に利用していると推察された.
- 日本海洋学会の論文
- 2000-08-25
著者
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