広島湾における底層懸濁物質の濃度変動
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概要
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1997年夏,広島湾において8回の底層濁度の空間分布観測およびシアー流速計による39日間の底層流速と濁度の定点連続観測を行った.広島湾の底層濁度の空間分布は南が高く,北が低い.この濃度勾配が存在するため,潮流輸送による濁度の短期変動が卓越する.また,濁度は,大潮時に高く,小潮時に低いという長期変動も観測された.潮流の水平移流による濁度の短期変動の全振幅は最大で約2〜3mgl^<-1>,大潮と小潮に対応した濁度の長期変動の振幅は最大で約3〜5mgl^<-1>であった.さらに,観測期間中,台風9719号が通過し,風速が10m s^<-1>,海底近傍の流速が15cm s^<-1>を超えた時,強い海域攪乱により,海底付近の濁度の急激な増加が観測された.これらの観測結果を基に底層濁度の短期・長期変動及び海域攪乱効果を考慮した広島湾における底層濁度変動の定性的経験式を提案した.
- 日本海洋学会の論文
- 1999-08-10
著者
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