噴火湾の水塊交替について(シンポジウム:北海道の沿岸諸問題)
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概要
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噴火湾には通常2月始めころ,オホーツク海から流出した流氷の融け水を表層にもつ親潮が流入し始め,6月ころその量が最大となる.その後これに替わって津軽暖流水が湾内を占有するまでの間,噴火湾の海洋構造は,表層下に顕著な躍層と中冷水をもつ北太平洋西部亜寒帯水域の典型を示す.津軽暖流水は8月ころから湾内の中冷水に対応する中層に流入し始め,11月にはほぼ湾の全容積を占める.この水は冷却期を経て鉛直的にも,水平的にも均質な水に変質する.浅く顕著な躍層をもつ湾内水は水塊の交替につれ渡島半島沿いに南東に流出するが,この沿岸では南東風に伴なう湧昇により,躍層下の冷水が表面に現われ,顕著な水温低下を起す.
- 日本海洋学会の論文
- 1979-08-28
著者
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