頻出パターン解析による重複遺伝子の同定手法

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生物が新規機能を獲得する上で,遺伝子重複は重要なイベントのひとつである.遺伝子重複により,いずれかの遺伝子に変化が起きても細胞中に変化が現れることなく,その後の変異を蓄積して行くことが出来るからである.その一方で,重複した遺伝子は互いに近い配列を持っているため,単に遺伝子配列を読んだだけでは,同一の遺伝子のシークエンスエラーなのか,本当に複数の遺伝子が存在しているかの区別を付けるのが難しい.そこで,今まで重複が起こった遺伝子群を見つけるには,ゲノム領域の塩基配列を決定するのが一般的である.しかし,ゲノム配列の決定は現在においても非常にコストが高く容易に決定できるものではなく,特に真核生物では限定的な種でしかゲノム配列が決定できていない.本研究では,次世代シークエンサを用いて mRNA を大量に読んだデータを用い,シークエンスエラーによる変異と,重複遺伝子による変異を区別する手法を提案する.提案手法は,データマイニングの相関ルールを応用した手法であり,提案手法を用いることで,重複遺伝子の各配列と,近縁種から変異の起こった位置を計算する事が可能である.本研究では,このアルゴリズムを軟体動物4種の遺伝子領域を次世代シークエンサで読んだ配列に適用する事で,各種から重複遺伝子候補を抽出することに成功した.抽出された重複遺伝子にはヒストンクラスタが含まれており,本アルゴリズムが妥当である事が示された.また,zinc finger 遺伝子の重複による機能分化も観測された.
2010-12-09

頻出パターン解析による重複遺伝子の同定手法

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