進化計算による蟻コロニーモデルの自動設計
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概要
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筆者は蟻コロニーの協調作業を参考にしたマルチエージェント (MA) 系の設計方法を提案している.中村ら (2006) ではこの方法に基づいて,蟻コロニーの採餌タスクモデルの採餌効率を上げるよう試行錯誤で設計改良した結果,簡潔な行動則を持つ 3 つのモデルを構築した.本論文では上記方法を簡単な進化計算に適用して,採餌タスクモデルを自動設計する.進化計算の数値実験では,4 種類の採餌戦略と通信不成立状態をとるモデルが繰り返し出現し,短い世代数で準最適戦略 (不応期戦略) だけが次代に残る状態に収束する.この準最適戦略は中村ら (2006) の 3 つのモデルのうち最も採餌効率の高いモデルとよく一致する.また 4 種の採餌戦略のうち上位 3 種の戦略をとるモデルは,それぞれ中村ら (2006) の 3 つのモデルとよく一致した作業分担や挙動を示す.以上より本論文では中村ら (2006) の設計の妥当性を確認した.
- 2009-02-20
著者
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