周防灘における潮流による再懸濁過程とSS fluxの解析
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概要
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瀬戸内海周防灘において係留系による底層近傍の15日間の現地観測を実施し,潮流による再懸濁の振る舞いを調べた。それによると,中潮期から大潮期にかけて,流れは潮流が優勢となり,それに関連する濁度の上昇が観測された。一方,小潮期には,潮流以外の優勢な流れが突発的に生じることがあるが,その流れに伴う底層の濁度の上昇は認められなかった。調和解析によると,大潮期にはM4潮周期で濁度が上昇する傾向が認められるが,M2潮周期の変動も大きく現れた。このことは,濁度がM2潮流の移流によって運ばれるということの他に,濁度の上昇が下げ潮時よりも上げ潮時で大きいという片潮的な現象を示唆している。この関係をさらに詳しく調べるために,大潮期の25時間に注目して,音響を利用した高精度の精密流速計を用いて16Hzで流れと音響散乱強度(濁度と高い相関)を測定した。解析に際してはSSの乱流拡散フラックスの考え方を整理し乱れの振る舞いを解析した上で,鉛直方向の乱流フラックスの潮時変動を調べた。それによると下げ潮時に比べて上げ潮時では流れのスペクトルのパワーも高い傾向にあり,乱流フラックスも大きく見積もられた。
- 2010-11-05
著者
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安田 秀一
独立行政法人水産大学校水産学研究科
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山口 哲昭
独立行政法人水産大学校水産学研究科修士課程
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河野 史郎
いであ株式会社九州支店
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高島 創太郎
いであ株式会社九州支店
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山口 哲昭
独立行政法人水産大学校水産学研究科修士課程:(現)山口県漁業協同組合連合電算課
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安田 秀一
独立行政法人 水産大学校水産学研究科