並列プログラミングモデルMolatomium
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概要
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マルチコア時代に向けた,実行性能の高い並列プログラムを容易に書くための並列プログラミングモデル Molatomium と,その処理系および開発支援ツールを提案する.プログラミング言語としては,並列性を記述する C 言語風の Mol という言語と,実行性能を追求する直列コード Atom を記述する C/C++ を併用する.Mol は,データ並列およびタスク並列を扱う.配列によってデータの依存関係を遅延代入式で表現するとともにメモ化を行い,データ並列を実現する.依存関係のない関数は自動的に並列に実行され,タスク並列を実現する.Mol コードはバイトコードに,Atom コードはネイティブコードにコンパイルされ,1 つのプログラムをなす.Atom を組み上げて Mol を構成するというアナロジである.処理系は仮想マシンとして実装し,プラットフォーム間における差異を吸収する.Mol で記述した依存関係に従って Atom を動的にスケジューリングし,並列に実行する.x86 で動くいくつかの POSIX OS (Linux,Mac,Cygwin) および Cell Broadband EngineTM (以下 Cell/B.E.),SpursEngineTM に処理系を実装し,それぞれでコア数に応じたスケーラビリティを確認した.また,並列プログラミングを支援するためのグラフィカルなエディタ,デバッガ,三次元可視化環境を紹介する.
- 2010-03-10
著者
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加藤 宣弘
株式会社東芝コアテクノロジーセンター
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境 隆二
株式会社東芝デジタルメディアネットワーク社コアテクノロジーセンターエンベディッドシステムコア技術開発部
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高山 征大
株式会社東芝ディジタルメディアネットワーク社コアテクノロジーセンター
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島田 智文
株式会社東芝ディジタルメディアネットワーク社コアテクノロジーセンター
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加藤 宣弘
株式会社東芝ディジタルメディアネットワーク社コアテクノロジーセンター
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境 隆二
株式会社東芝ディジタルメディアネットワーク社コアテクノロジーセンター
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