動的閾値を用いた構文エラー処理
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概要
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プログラミングでは,人がプログラムを書いた後,コンパイラを用いて計算機が実行可能な形式にプログラムを変換する.この際,プログラムにエラーが含まれていると変換は失敗する.人が書くプログラムにはエラーが含まれている可能性が高い.また,含まれているエラーは複数である場合が多い.このためプログラミングはコンパイル,エラーの発見,修正,再びコンパイルの繰返しとなる.プログラミングを効率良く行うために,"エラー処理"の機能を含んだコンパイラが望まれる.エラー処理とは,エラーの発見場所を出力,エラーを修正し解析を続行する処理である.コンパイラで発見できるエラーのうち,構文解析で発見できるエラーを構文上のエラーという.構文解析におけるエラー処理では,エラーの修正を行った後,その修正が正しいかどうかの判断を行う必要がある.従来のエラー処理では,ある閾値を設定して,修正が正しいかどうかの判断を行う.この手法では,事前に適切な閾値を設定しなければならない.また事前に固定の閾値を設定するために,修正が正しいかどうかの判断を間違える場合があるという問題がある.本発表では,この問題を解決するためにエラー距離という既存の概念を用いて,動的に閾値を決定する新たな手法を提案する.この手法では事前に閾値を設定しない.これにより従来手法の問題を回避する.さらに提案手法の実装,評価を行う.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 2008-09-26
著者
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