無線センサネットワークにおける不正メッセージ作成元ノードの検知
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概要
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大規模な無線センサネットワークでは,攻撃者がセンサを物理的に取得しセンサを不正に操作する脅威が考えられる.不正ノードは,自ら不正メッセージを発生させたり,転送されてきた正しいメッセージを改ざんしたりする等,不正メッセージの作成を行うことができる.本論文は,このように不正メッセージを作成し,そのメッセージをシンクに転送する不正ノードの特定を目的とする.既存研究は,ただ1つのメッセージ発生元ノードがあり,そのノードからシンクまでのルーティングパスが固定されている環境にのみ適応できる手法である.無線センサネットワークにおいては,ノードの故障率が高いため,この制限は大きな問題となる.また,既存研究は不正ノードを特定するまでに数多くの不正メッセージを必要とする.提案手法では,メッセージの転送ノードが,ノードIDと<i>k</i> ビットのMessage Authentication Code(MAC)をメッセージに付加する.<i>k</i> の値が小さい場合は,トラフィック量を抑えることが可能だが,攻撃者が正しいMACをねつ造できる可能性が高まる.だが,つねに正しいMACを作成できるわけではない.本手法では,統計的手法を用いることにより,不正ノードである可能性が高いノードを特定する.また,論理ノードを導入することにより,ルーティングパスが頻繁に変わる環境にも対応する.数学的な解析やシミュレーションにより,既存研究と比較して少ない不正メッセージ数から不正ノードを検知できることを示す.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 2009-02-15
著者
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