二酸化炭素に起因する海洋酸性化による音波伝搬損失への影響(水中音響)
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概要
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海水中の音波の吸収損失αは,音波伝搬の見積において非常に重要な要素である。しかし,近年,大気中のCO_2濃度が増加し,海水中に多く溶け込むようになったため,酸性化(pHが減少)が急速に進行し,結果として海中の音波吸収損失αが減少し,長距離音波伝搬に影響を与える可能性が懸念されている。この報告において,実際のCTD観測データから寒冷海域から熱帯海域までのαが計算され,今世紀初頭から今世紀末までのpHの変化による吸収損失差(Δα)が求められた。また,様々な周波数における長距離音波伝搬における影響も計算された。その結果、pHの低下により、(1)将来,伝搬損失の減少が長距離音波伝搬に影響をあたえる可能性が大きい,(2)低周波域(<1kHz)では水深が増加するほど伝搬損失差(Δα)が大きくなる。(3)浅海域では,水温や塩分の影響により高緯度海域でのΔαが大きくなる,等のことがわかった。
- 2010-08-23
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