低騒音ファン(基本型)の設計
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概要
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JAXA ジェットエンジン技術研究センターでは,ターボファンエンジンの騒音レベル低減,排気エミッション削減,CO2 排出抑制を目指してクリーンエンジンプロジェクトを推進している.ターボ要素技術セクションでは,上記CO2 排出抑制技術開発の一環として,ターボ要素の高負荷化の研究を実施している.ファン・圧縮機はそれ自体でCO2 を生成する訳ではないものの,それがエンジンにもたらす総圧力比(OPR) は,エンジンサイクル効率に影響する主要な変数の一つであり,OPR を向上させることは燃料消費の削減,ひいてはCO2 の排出抑制につながる.またファン・圧縮機の航空エンジンに占める重量と部品点数は大きな割合を占め,前者は燃料消費を含めた直接運航コスト,後者は製造/メンテナンスコストに関係している.したがって高負荷化によりこれらを低減することは最終的にはCO2 排出抑制に寄与する.一方,そうした高負荷ファン・圧縮機は概して,効率が低く,安定作動範囲が狭くなる傾向がある.このような高負荷ファン・圧縮機を実用化して全体的なCO2 排出抑制を達成するためには,これらの課題をあらかじめ解決しておく必要がある.JAXA は上述のようなさまざまな課題に対処し,高負荷化を達成しつつ,効率や失速余裕,騒音発生を改善するための技術を実証するため,チップ周速1400ft(426m/s) 級の低騒音ファン(基本型)供試体を開発した.本報告書では低騒音ファン(基本型)の設計過程について検証する.
著者
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西澤 敏雄
宇宙航空研究開発機構 研究開発本部
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正木 大作
宇宙航空研究開発機構 研究開発本部 ジェットエンジン技術研究センター
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二村 尚夫
宇宙航空研究開発機構 研究開発本部 ジェットエンジン技術研究センター
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正木 大作
宇宙航空研究開発機構研究開発本部ジェットエンジン技術研究センター
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西澤 敏雄
宇宙航空研究開発機構研究開発本部ジェットエンジン技術研究センター
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二村 尚夫
宇宙航空研究開発機構研究開発本部ジェットエンジン技術研究センター
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二村 尚夫
宇宙航空研究開発機構
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西澤 敏雄
宇宙航空研究開発機構
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