情報化時代の学習環境 : 教師への調査と研修の試みをとおして
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概要
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今日のインターネットやマルチメディアの普及は目覚しく,それらが学校教育における学習環境に今後ますます大きな変化をもたらすことは想像に難くない。筆者らは,このような状況に対応するために教師への実態調査や教員研修を通じて,教育現場でのICT (Information and Communication Technology:情報通信技術)利用を指導してきた。まず,第1回調査でICT設備や指導力量の不足が実態として表れた。これらを改善する目的でICTを利用して時空を超えた教員研修を行ったが,この研修の特色であったCSCL (Computer Supported Collaborative Learning)がうまく機能しなかったため,第2回調査に基づき教員研修システムを改善したところ,教師同士の協調学習が見られ,研修自体は非常によい結果となった。ところが,これらの教員研修の成果が問われる一般の学校現場でICTを利用した新しい学習が積極的に行われていなかったため(第3回調査),設備や指導力量不足ではない「本質的な」問題を明らかにする必要が生まれた。そこで「学習集団の大きさ」「学習形態」「人と人との関わり」という3つの指標を用いて伝統的学級内学習とICTによる学習を比較し,情報化社会の学習環境に必要な学習の「場」について考察した。さらに,3つの指標に関する教師の意識調査から,伝統的指導観がこの情報化社会の学習環境を実現する妨げになっていることを明らかにした。
- 日本教育方法学会の論文
- 2004-03-31
著者
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