歴史教育における主題学習の教材構成原理 : プロジェクト社会科『合衆国史コミュニティから社会へ』の分析を通して
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概要
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本研究では,合衆国で1968年に出版されたプロジェクト社会科の初等用自国史教材『合衆国史:コミュニティから社会へ』の分析を通して,歴史教育における主題学習の教材構成原理とその意義を解明した。主題学習の意義は,現代社会の成立根拠を理解させると同時に,現代社会を自由にそして批判的に読み解くための知識を獲得させることができる点にある。その方法論として,本研究で導き出した主題学習の教材構成の原則を示せば,以下のようになる。1)主題学習の教材は,主題に関係した現代社会の成り立ちを教えることを第一の目的とし,主題に関係した社会諸科学の知識を教えることを第二の目的とする。2)第一の目的を達成するためには,主題に関係して生じた社会変動を分析させる際に,その変動の過程に見出される現代社会の構成要素の起源や来歴を,たえず子どもに特定させてゆくように教材構成する必要がある。3)第二の目的を達成するためには,主題に関係して生じた社会変動を分析させる際に,その要因や影響の様々なパターンを科学的な探求手順によって研究させ,さらにその変動の背後に見出される様々な理論や法則を,たえず子どもに形成・吟味させてゆくように教材構成する必要がある。
- 日本教育方法学会の論文
- 2003-03-31
著者
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