各種デンプン糊化液のレオロジー的特性と糊化特性について
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概要
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1)各デンプン試料を光学顕微鏡と走査型電子顕微鏡で観察したところ,文献に記載されているものと同様の形状を有していたが,市販離乳食用とろみ付与剤と高齢者用食品向け増粘剤には,光学顕微鏡による観察ではデンプン粒は認められず,パン粉のような形状となっていることが走査型電子顕微鏡観察により示された.2)保温効果については,ジャガイモデンプンと高齢者用食品向け増粘剤が室温放置,恒温槽放置とも高く,トウモロコシとコムギデンプンのそれは低いものであった.3)回転粘度計による各種デンプン試料の見かけの粘度を測定したところ,高齢者用食品向け増粘剤の粘度が非常に高く,測定中に一部ゲル化した.ジャガイモデンプンがデンプン試料の中ではもっとも高い粘度を示し,トウモロコシとコムギデンプン糊化液の粘度は低く,さらに同じ市販の増粘剤でありながら,離乳食用のとろみ付与剤の粘度がもっとも低かった.同一濃度における音叉型粘度計を用いた測定でも高齢者用食品向け増粘剤の粘度がもっとも高く,ジャガイモデンプンの粘度がそれに続き,それ以外のデンプン試料はいずれも低い値を示した.また,各デンプン試料の粘度値自体も回転粘度計による測定値の1/5から1/10以下となり,機器依存性が改めて確認された.4)細線加熱式粘度計は,デンプン懸濁液の糊化温度測定に応用可能であると考えられた.
- 2010-03-01
著者
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