日本産Triaena属の一新種
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概要
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これまでヒメリンゴケンの和名で呼ばれ,ヨーロッパにいるTriaena tridensと同定されてきたものはまったく別の独立した種であることが判明した.区別点は♂交尾器,わけてもこの属の特徴が最もよく現れるjuxtaの形態と左右の伸長部にある刺の生えかたである.この新種Triaena sugii sp.nov.の分布は現在のところ日本の中部山岳地より北に限られ,西日本での記録・報告は未だない.ヨーロッパに産する真正tridensのjuxtaにある左右の伸長部は半円形に近い鎌形である.これに対しsugiiヒメリンゴケンモンの伸長部は一様に細長く,中央部においてもtridensのようなふくらみをもたない.またこの伸長部の先端に存在する多数の刺状突起物の生えかたは図4および図5のごとくまったく異なっている.なお,T.tridensに対する和名は消失した.和名「ヒメリンゴケンモン」はT.sugiiに対して用いられるものとする.
- 日本鱗翅学会の論文
- 1990-10-20
日本鱗翅学会 | 論文
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