ネパール・ヒマラヤ産Parnassius cephalus GRUM-GRSHIMAILOの1新亜種(鱗翅目:アゲハチョウ科)
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概要
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ネパール中部の高山域から,Parnassius cephalusの1新亜種(ssp.horii)を記載した.本新亜種はチベットのPhuse Laから知られる亜種rileyanus BRYKに近似するが,雌前翅翅形が幅広く,前翅中室紋が常に中央脈に接触すること,および前翅亜外縁黒帯が著しく発達する点で容易に区別できる.当初,本新亜種は発見された地理的な位置等から,従来よりその発見が期待されていたmaharajaとaphalusのミッシング・リンクに相当するものではと思われたが,外観,前翅翅脈,および雄交尾器等において,チベット東部から中国西部(四川省,青海省,甘粛省の高地)にかけて分布する真正cephalusの範疇に入るものであるとの結論に達した.しかし,交尾嚢が後方に向って大きく開口する点では,判明している限り,従来より知られる本種の他の全ての亜種と異なり(チベットの近似の亜種rileyanus及びpythiaの雌タイプ標本はいずれも末交尾で交尾嚢は末見),引き続きこの地域での調査,研究が望まれる.
- 1985-06-20
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