ヤガ科キヨトウ群の新異名
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概要
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タイプ標本の所見にもとづき,主としてBRYK(1942,1949)が日本の近隣地域から記載したいわゆるキヨトウ群の種群名を整理した.その多くは劣級同物異名であるが,次の2つは日本産蛾類大図鑑で用いられた日本産の種に関係し,学名の変更を伴うので,抄録しておく.Mythimna matsumuriana(BRYK,1949)=Mythimna monticola SUGI,1958 ミヤマフタオビキヨトウ BRYKの名は,原記載でM.turca(LINNAEUS)〔フタオビキヨトウ〕の朝鮮亜種として提出され,かつ日本(軽井沢)産の標本(BRYKはこれをturcaの亜種limbata BUTLERと同定した)と比較されているが,タイプ標本の所見では,どちらもミヤマフタオビキヨトウであったから,その種名にはMythimna matsumurianaを用いるべきであり,私の与えた名monticola SUGIはその異名である.Aletia chosenicola(BRYK,1949)=Aletia insalebrosa SUGI,1982. クロテンキヨトウ BRYKの名は,A.pallens(LINNAEUS)〔タンポキヨトウ〕の亜種として朝鮮産の標本に名づけられていたが,タイプ標本の所見では,私が日本産蛾類大図鑑のなかで新種として記載したA.insalebrosaと同じものである.従ってクロテンキヨトウに対してはAletia chosenicolaの名を用いるべきである.
- 日本鱗翅学会の論文
- 1984-07-20
日本鱗翅学会 | 論文
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