サイトウトガリバの再記載と近縁種について
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概要
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Neotogaria saitonis MATSUMURA, 1931,サイトウトガリバは,台湾中部の眉原より新属新種として記載され,次いで埔里からも記録されたが(MATSUMURA,1933),少ないものらしくその後はほとんど得られていないようである.幸い私は,大阪府立大学昆虫学教室の田部達也氏の御厚意によって,同氏が台中縣梨山で採集された本種1♂を調べることができたので,交尾器形態を含めて本種を再記載し,またこの機会に中国南部からインド東北部にかけて分布する数種を属Neotogariaに移した.Neotogaria MATSUMURA, 1933.(Neotogaria MATSUMURA, 1931,は属の記載を伴なわず不適格)中型からやや大型(開長40-50mm)の種を含む.外観は属Tetheaのある種に似るが,前翅外縁が強く波状を呈すること,頭額に円錐状の毛瘤と,これをおおう形の屋根状の毛塊をもつこと,また腹部3〜6節の背面に冠毛を発達させることなどで,Tethea並びに他の属から区別される.成虫は晩秋または早春に出現する.台湾のサイトウトガリバが得難いのも出現期が早春に限られるためと思われる.本報では次の5種をこの属に含めることとしたが,♂交尾器の種ごとの差異は僅かで,将来一部にシノニム関係が見い出されるかもしれない.Neotogaria saitonis MATSUMURA, 1931.サイトウトガリバ〔台湾(中部山地)〕Neotogaria galema(SWINHOE, 1894), comb. nov.〔インド(アッサム)〕Neotogaria flammifera(HOULBERT, 1921), comb. nov.〔中国(雲南)〕Neotogaria anguligera(HAMPSON, [1893]), comb. nov.〔インド(アッサム)〕Neotogaria curvata(SICK, 1941), comb. nov.〔中国(浙江・福建・湖南・広東)〕なお,SICK(1941)はflammiferaに近縁なものとしてSpilobasis hoenei SICKを中国雲南省より記載しており,記載文より判断するとNeotogariaの一員と考えられるが,本報ではその扱いを保留した.
- 1984-07-20
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