本州高地帯のゴマシジミ : 1新亜種の記載を含む
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概要
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ゴマシジミ属Maculinea VAN EECKE, 1915は,ユーラシア大陸の北部に分布域をもつシジミチョウ科の一群で,日本にはゴマシジミM. teleius BERGSTRAESSER, 1779と,オオゴマシジミM. arionides STAUDINGER, 1887の2種を産す.この属の幼虫は,幼虫期の前半は草食性であるが,後半はアリの巣の中に入り,アリの幼虫を食べて成長し,蛹化までをアリの巣の中で過す特異な生態をもっており,両種とも日本が分布の東南限となり,日本での分布は局地的である.オオゴマシジミは渓谷性の種で地方変異に乏しいが,ゴマシジミは明るい山間の荒地草原,火山裾野草原,泥炭地草原などに棲息する草原性の種で,地方変異に富んでいる.筆者は,本州産ゴマシジミのうち,飛騨山脈や加賀白山山彙の尾根に生じた高標高の草原に棲息するゴマシジミを調査し得たので,その知見を報告し,その特異な斑紋と生態とから,低地産のものとは別の亜種として扱うのが妥当と考えるので新亜種として記載する.
- 日本鱗翅学会の論文
- 1973-05-31
日本鱗翅学会 | 論文
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