ビッグバン元素合成
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ビッグバン元素合成が宇宙の標準理論を支える柱の一つとなってから久しい.そしてその成功により,地上では検証できないような理論を調べるための「実験室」としての役割も果たしてきた.本記事では観測の進歩が著しい近年の宇宙論におけるビッグバン元素合成にまつわる話題を紹介する.宇宙背景放射観測が精密化する中での軽元素観測の進展と浮かび上がってきた問題点を述べるとともに,素粒子標準理論を超える理論として注目の超対称性理論への手がかりがビッグバン元素合成から得られることを解説する.ビッグバン元素合成はこれからも天体物理・原子核物理・素粒子物理といった広範囲の物理の未知の領域と関わり,発展を共にしていくであろう.
- 2010-07-05
著者
-
市川 和秀
京都大学大学院工学研究科
-
川崎 雅裕
東京大学宇宙線研究所
-
郡 和範
高エネルギー加速器研究機構素粒子原子核研究所理論センター
-
郡 和範
高エネルギー加速器研究機構素粒子原子核研究所理論センター:ランカスター大学物理学科
-
川崎 雅裕
東大 宇宙線研
関連論文
- ビッグバン元素合成
- 12aSF-9 アフレック・ダイン機構におけるQ-ballの不安定性(12aSF 宇宙物理,宇宙線・宇宙物理領域)
- 宇宙の再加熱温度とNeutrino Backgroundの熱化(境界領域(III)+宇宙論,天文学の境界領域を探る,研究会報告)
- ビッグバン元素合成
- Qボール : 宇宙の暗黒物質とバリオン数の起源
- 22pSG-2 Affleck-Dine baryogenesis after thermal inflation
- 22pSG-4 Power Spectrum of the Density Perturbations From Smooth Hybrid New Inflation Model
- Keck 10 m望遠鏡で観測された原始水素雲中の重水素
- 29p-J-5 アクシオンドメインウォール崩壊による暗黒物質生成
- 29p-J-4 宇宙のバリオン数生成とクオークの拡散
- 宇宙暗黒物質は何処へ
- TeV重力理論 (特集 量子重力理論最前線--弦・ブレーン・ループが広げる新地平)
- 宇宙論とニュートリノ (特集 素粒子物理の新展開--ニュートリノ:標準理論を超える手掛り)
- ダークマター問題は解決するか (小特集 ニュートリノの質量はなにを語るか)
- 素粒子物理の発展と宇宙論 (特集:素粒子物理学の現状と将来)
- 宇宙の暗黒物質はどこまでわかったか (特集1 宇宙論はどこへ向かうのか?)
- M.S.Longair, High Energy Astrophysics, 3rd Edition, Cambridge Univ. Press, New York, 2011, xv+861p, 25×20cm, $85, [専門・大学院向], ISBN978-052-175618-1