スラウェシ,フィリピン産のシタベニコノハ,Thyas miniacea(Felder&Rogenhofer),の2新亜種
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概要
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Thyas miniacea(Felder&Rogenhofer,1874)はフィジー,サモア,ニューヘブリデス諸島に原名亜種を産し(Robinson,1975),ニューカレドニアに亜種ruburior Holloway,1979,小スンダ列島,モルッカ諸島,ニューギニア,オーストラリア(ノーザン・テリトリー,クイーンズランド),ビスマーク諸島,ソロモン諸島に亜種regia Lucas,1894が知られている(Holloway,1979).原名亜種とされるニューヘブリデス諸島の個体群について2頭を検したHolloway(1979)によると,亜種rubriorと亜種miniaceaの中間的な特徴を示すという.しかし,筆者の手元にあるタンナ島産の5♂の個体は後翅表面の黒色紋が著しく発達し,原名亜種とは異なる.将来,別亜種になるかも知れない.デューク・オブ・ヨーク諸島産の1♀(Fig.13)は後翅表面の黒色紋の発達が大変弱く,一見亜種rubriorに似る特異な個体であるが,ニューアイルランド島の個体は典型的なregiaの特徴を示しており,個体変異と推定される.筆者は今まで記録の無かったスラウェシとフィリピン産の本種の標本を入手し既知亜種と比較した.その結果,スラウェシの個体群は,内横線が不明瞭,腎状紋の下部が例外なく非常に発達する,弓状の外横線の角度が既知亜種と異なる,後翅表面の黒色紋の発達が弱いこと等で既知亜種と異なり,また,フィリピンの個体群は,内横線が明瞭,腎状紋が発達する,外横線が既知亜種と異なり雌雄とも直線的になる,内横線と外横線が内縁で非常に接近する,後翅表面の黒色紋が発達する等,特異なものであることが分かった.以上の点からスラウェシ産およびフィリピン産は,それぞれ新亜種と認められるので,Thyas miniacea sulawesensis ssp.n.およびThyas miniacea philippinensis ssp.n.として記載した.筆者はまた,スラウェシ産のシタベニコノハThyas honesta Hubner,1824を記録したが,同地は今までT.honestaの記録も欠く地域であった.
- 2004-03-20
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