フィリピン産Diplurodes属(シャクガ科エダシャク亜科)
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概要
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Diplurodes属は,インドから記載されたvestita Warrenを模式種とし,インド・マレー地域を中心に多くの種が記載されたが,かなり異質な種も含まれていた.近年Holloway(1993)によって,主としてボルネオの種を基にした再検討がおこなわれ,本属が明確に規定されるとともに,除外された種は他の既存の属へ移され,さらにChrysoblephara,Satoblephara,Nigriblepharaの3属が創設された.日本からは模式種vestitaハラゲエダシャクと,parvularia Leechハラゲチビエダシャクの2種が知られていたが,後者を模式種としてSatoblepharaが記載されたので,日本のDiplurodesは模式種のみ(日本産はssp.fuscovestita Inoue)ということになる.筆者は,Holloway(1993)の定義に従ってフィリピン産のDiplurodesを調べ,12種を確認することができたので,そのデータを記録するとともに,下記の9種を新種として記載した.なお,従来フィリピンからDiplurodesとして記載されたkarsholti Sato(Palawan)とluzonensis Sato(Luzon)は,既にHolloway(1993)によって,Satoblepharaに移行されている.D.schintlmeisteri Sato(Luzon,Negros,Mindanao)D.vermoleni Sato(Luzon,Mindanao)D.spinivalva Sato(Luzon,Leyte,Negros,Mindanao)D.lativalva Sato(Mindanao)D.negrosana Sato(Negros)D.tanakai Sato(Luzon,Negros,Mindanao)D.mindana Sato(Mindanao)D.subdecursaria Sato(Luzon,Negros,Mindanao)D.luzonica Sato(Luzon)今後,さらに近縁の属について研究を進めたい.
- 日本鱗翅学会の論文
- 1999-09-30
日本鱗翅学会 | 論文
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