ペルー,サティポ産,後翅に赤色翅脈を伴う2頭の雌Agrias sardanapalus lugens(鱗翅目,タテハチョウ科)
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概要
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ペルーでは,ミイロタテハ用トラップとして,人糞,腐敗した牛血などを使用してきたため,雌が採集されることは極めて稀であり,特産亜種であるAgrias sardanapalus lugens Staudingerの雌変異体は報告がない.我々はサティポ県での雌採集を目的に,1995年夏からバナナトラップの使用を開始し,1996年6月までに,後翅に赤色翅脈を伴う2頭の雌A.s.lugensを採集した.写真1,2,5は1995年10月13日に採集された雌で,前翅長52mm,後翅第4翅脈が赤色翅脈になっているのが認められる.さらに拡大してみると,第4翅脈以外にも,中室に2個,第5翅脈上に6個,第3室に2個,第4室に3個,第5室に2個,第6室に3個,第7室に3個の赤色鱗粉が認められる.写真3,4,6は1995年10月27日に採集された雌で,前翅長51mm,後翅第4,5翅脈が赤色翅脈になっている.拡大像では多くの赤色鱗粉が中室と第1b室から7室まで広く認められる.これら2頭の雌はともにサティポ西8kmのヌエバビクトリアで採集された.原名亜種の後翅には黒褐色以外の色の記載がなく,この2頭は新しい変異体と考えられる.
- 日本鱗翅学会の論文
- 1996-12-01
日本鱗翅学会 | 論文
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