投資意思決定におけるリスク把握と測定方法
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
投資意思決定は企業経営に及ぼす影響が大きいにもかかわらず,投資のリスクの把握,測定に関してはあまり議論がされていない.回収期間法,NPV法においてはリスクを回収期間,βなどの単一の数値でとらえているが,本来は事業価値の確率分布形状を想定すべきである.また,リアル・オプションでもある程度確率分布を想定してはいるものの歪度,尖度などのリスク特性値まで踏み込んだ考察は見られない.本論文では売上予測方法の先行研究を発展させ,売上予測に基づいた事業価値の確率分布,リスク特性値をいかに測定するかを示すとともに,NPV法とリアル・オプションでのリスクの把握,コントロール手法の差異を検討し,それらのリスク情報が投資意思決定に与える影響度を論じる.本論文での新しい知見はリスク特性値の測定方法を考案したこととともに,標準偏差を軽減するリスクコントロール手法が2つの評価方法では異なり,リアル・オプションではコントロールの自由度が高まる反面,確率分布の変化に伴う歪度,尖度などのリスク特性値の変化に注意を払うべきという経営管理上の課題を展開したことである.
- 日本管理会計学会の論文
- 2003-06-20
著者
関連論文
- ベンチャー企業の企業価値評価 : ベンチャーキャピタルの視点から
- 単利
- 財務内容の改善が設備投資行動に与える影響
- 設備投資額決定に影響を与える資金需要要因と供給要因
- 設備投資意思決定の実際 : 富山県企業の調査
- 富士通株と北陸電力株との株価変動パターンの比較 : ニューラルネットを用いた経路依存性の測定
- The Quadrinomial Model for the Price Behavior of Real Assets
- 投資意思決定におけるリスク把握と測定方法
- Representation of real assets behavior by a hysteresis process
- ベータ分布において確率測度変換が歪度に与える影響
- 2項モデルと3項モデルとの関係 : Rubinstein(2000)論文の批判的検討
- 減価償却の方法が設備投資予算編成に与える影響