コスト・パフォーマンス曲線を使用した製品開発
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概要
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価値観の多様化,企業間競争の激化の下で,顧客の要求する諸機能を有する製品を総合的な観点からバランスよく低コストで供給することは,製品開発の1つの重要な視点である.この領域では従来からコスト性能比(価格性能比)という用語が使用されてきたが,ここでの「性能」はコンピュータの演算速度のように単一の性能に限定され事後的に使用されることが多かった.この概念を,評価項目の多目標性と定性的特性を考慮した総合性能として,製品開発の意思決定に明示的,操作的に使用出来るようにすることが重要である.この観点から,コスト・パフォーマンス曲線(CPC)を利用して,コスト制約下で総合性能を最大にする製品開発組合せ代替案を選択する方法が,階層分析法(AHP)と動的計画法(DP)を使用して提案されている.本研究は、上記の問題に対して,コスト制約下の製品開発で重要な役割を果たす製品の目標販売量を新たに導入することによって,拡張化されたCPCを利用する方法を提案する.定式化と解析には,階層分析法(AHP)と列挙法(EM)を結合的に使用する.次いで,このモデルを複写機の実際の開発事例に適用することによって,提案法の具体的利用法と他の諸問題に適用する際のいくつかの重要な視点を明らかにする.さらに,複数の機能ユニットの代替案間に技術的あるいは経済的従属性が存在する場合に対処する方法も示す.提案法は,多目標的・定性的評価を処理するAHPと表計算などの簡単なソフトウェアの使用を前提としたEMの結合的適用を通じて.拡張化されたCPCを製品開発の意思決定に利用するプロトタイプ・モデルとして特徴づけられる.
- 1998-03-31