管理会計情報システムにおけるデータウエアハウスの適用可能性 : 予算管理情報システムの問題と可能性
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概要
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本稿は会計情報システムのうち,管理会計情報システムの予算管理情報システムにおける会計情報システム上のデータベースモデルの問題点に焦点を絞り,データウエアハウス(Data Warehouse)の適用可能性について論述している.近年の著しい情報システムの発達が会計情報システムに大きな影響を与えている.情報技術の進歩が特にデータベースシステムに対して決定的に影響を及ぼすことでこれまで当然とされていたリレーショナルデータベース(Relational Database)を核とした情報システムに疑問が投げかけられている.会計学は財務会計と管理会計のという二つの分野に分類することができるが,会計情報システムもまた,財務会計情報システムと管理会計情報システムという二つの分野に分類することができる.この二つの大きな違いは,財務会計情報システムでは財務データを扱うが,管理会計情報システムでは財務データに加えて非財務データを含めて扱わなければならない点である.したがって予算管理情報システムは財務データだけでなく,非財務データを取り扱うことができなければ評価価値は相対的に大きく低下する.一般に会計情報システムにおいてデータベースはすなわちリレーショナルデータベースが当然とされていたが,リレーショナルデータベースに向く業務はいわゆるOLTP(Online Transaction Process)としての業務であり,予算管理のようなOLAP(Online Analytical Process)に分類される業務にリレーショナルデータベースを適用することに関して様々な技術的問題が存在する.管理会計情報システムのうち特に予算管理情報システムが多元的な情報を必要としており,これに適しかデータベースを考えると現在の情報システムにおけるデータベースモデルとしてはデータウエアハウスが最も適したデータベースである.データマイニングツール(Data Mining Tool)がまだ十分に成熟してはいないが,今後はこのデータウエアハウスが管理会計情報システムの核となるであろう.
- 日本管理会計学会の論文
- 1998-03-31
著者
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