なぜ、教育と生活支援の連携強化が求められるのか : 支援ニーズの実証分析から
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概要
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学生生活実態調査の分析により、悩みを自覚した上で、その解決策として学生支援の必要性を認識し、実際にその支援を利用することができている学生がいる一方、悩みを内包しつつもこれを自覚せず、支援の必要性を認識していない学生が少なくないことが確認された。また、学生の悩みは勉学に関するもの、人間関係に関するものなど、ある程度パターン化できるものの、それらの悩みは複雑に交差しており、その表出のあり方も多様であることが分かった。真に問題を抱える学生は「見えにくい」のであり、その問題の深度も単一のものさしで測ることができない。これに対応するには、学生相談窓口やアンケートなどの学生自らが意思表示をする「場」に加え、学生の問題を客観的に察知できる接点が必要となる。直接的接点には、クラス担任やゼミ教員、ピアサポートなどを通した交流の場があり、間接的接点としては学生の履修状況や成績変動など学修データを分析する場がある。生活支援の場、教育の場、課外交流の場、データ分析の場のいずれかで示された「サイン」を受け止め、「場」同士の連携を密に保つことにより、適切かつ敏速な対応を講ずることが学修・生活支援の新たな一歩であると考える。
- 2009-03-31
著者
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