気管挿管に伴うQT 間隔およびQT dispersionの変動に対するランジオロールの予防効果について
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概要
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QT 間隔のばらつき (QTD) の増加は,不整脈の発生や循環系合併症のリスクを上昇させる.本研究では,気管挿管に伴うQT 間隔,rate-corrected QT(QTc間隔),QTD,rate-corrected QTD(QTcD)の変動に対するb 受容体遮断薬であるランジオロールの予防効果について検討した.全身麻酔下に耳鼻咽喉科手術が予定された米国麻酔学会分類Iの患者30名(男性15名,女性15名)を対象とし,L群(麻酔導入前よりランジオロールを0.125 mg/kgの初回投与に引き続いて,0.04 mg/kg/分で持続投与した群),P 群(同量の生理食塩水を持続投与した群)に分けて,比較検討した.麻酔の導入はプロポフォール,セボフルランにより行い,ランジオロールもしくは生理食塩水の投与6分後に気管挿管した.平均動脈圧の変動は両群間に差はなかったが,麻酔導入後や気管挿管後に観察されたQT 間隔,QTc 間隔,QTD,QTcDの上昇はP 群と比較して有意にL 群で低値を示した.本研究の結果から,ランジオロールの投与が,麻酔中や気管挿管後の不整脈の発生や循環系合併症の予防に有用である可能性が示唆された
- 2009-03-25