日本の府主教セルギイとソビエト下のロシア正教会
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概要
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ロシア革命を機にロシア正教会は国内外で分裂し、モスクワ総主教庁はソビエト政府と妥協したにもかかわらず、日本正教会を率いるセルギイ府主教はモスクワ総主教庁こそ純粋な正教を守っていると考えた。これによりセルギイはまず反ソビエトの在日ロシア人から、次に日本人神父や信徒からソビエトを支持していると見なされた。セルギイは教会内で孤立していき、ついには教会を追われ、ソビエトのスパイ容疑で逮捕されるにまで至る。こうした経緯から、セルギイが親ソビエト的であるとの見方は現在まで修正されていない。だがそれは彼が正教徒として、また主教としての立場を貫き、カノン(教会法)に従ったためで、そこには政治的な含みは一切ない。ところがそれが周囲に理解されることなく、ソビエト支持者として次第に追いつめられていったところに、彼の悲劇があったように思われる。
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