タケ類Melocanna baccifera(Roxburgh)Kurz ex Skeelsの開花 : その記録と48年の周期性に関する考察(<特集>Bambooはなぜ一斉開花するのか?〜熱帯から温帯へのクローナル特性と開花更新習性の進化を探る〜)
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概要
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タケ類の開花は開花周期が長いため、周期性があるとされながらも、それを予測することは困難である。しかし、今回、バングラデシュから北東インド、ミャンマーに至る地域に自生するMelocanna bacciferaに関して、精度が異なる過去の開花情報を詳細に検討し、少なくとも現地で情報収集を行ったインド・ミゾラム州において、本種が48年周期で大面積に一斉開花枯死を繰り返している可能性が高いことを突き止めた。予測に基づいて調査地を設定し、調査を開始したところ、2006〜2007年に、予測どおりの開花が認められた。調査地では、一斉開花の前後年に、少数の走り咲き稈と咲き遅れ稈の開花があり、通算3年にわたる開花が認められた。また、広域の調査によってほぼ5年間にわたって大面積一斉開花地が移動していくことも確認された。過去の記録では、さまざまな規模でみられる開花がすべて同等に扱われているが、このような記載が種の正確な開花周期の推定を困難にしている可能性が示唆され、タケ類の開花周期の特定においては可能な限り予測に基づいた生態学的調査を行う必要性が示された。
- 2010-03-31
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