道路交通の人工排熱に着目した都市ヒートアイランド関連施策の評価 : 東京23区を対象としたGISによる評価
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概要
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近年、世界各地の都市地域において、都市ヒートアイランド(UHI)が深刻な問題となっている。そこで本研究はUHI強度が著しい東京23区を対象とし、地理情報システム(GIS)を利用して、道路交通の人工排熱に着目した関連施策の評価を行うことを目的とする。そのためには、データベース作成ツール、情報解析ツールとして有効性が高いGISを利用して、道路交通状況を反映した電子地図形式のデータベースを作成し、これを利用して各道路単位で9つのUHI関連施策実施前後の道路交通の人工排熱量を算出し、これらの人工排熱量の比較を行うことにより評価を行う。本研究の結論は、以下の3点に要約することができる。(1)流動対象の人工排熱量は静止対象のものよりも著しく多く、特に高速道路や環状線などの走行台数や走行速度が著しい道路で人工排熱量が多い。車種別では乗用車と普通貨物車の人工排熱量が特に多く、平日・休日別では平日、昼間・夜間別では昼間に人工排熱量が主に多い。(2)流動対象のUHI関連施策のうち、燃料燃焼による排熱抑制、自転車・歩行者空間の確保による交通流の円滑化、環状道路整備、信号抑制の高度化は、程度の差はあるものの、人工排熱量を削減することができる。しかし人工排熱量の削減割合が多い道路は、各UHI関連施策で異なっている。(3)静止対象のUHI関連施策の特殊舗装とエネルギー消費機器の高効率化は、人工排熱量の削減割合が30%前後で流動対象のものよりも多いとともに、広い範囲での人工排熱量の削減が期待できる。
- 2010-03-31
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