介護職員が抱える施設内暴力の実態調査及び考察
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概要
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介護の現場では、2000 年の介護保険法導入を契機に、施設ではより多くの介護福祉士を求め、そのニーズは高まっている。しかし現実には、施設における介護職員の確保は非常に困難な状況にあり、介護職の労働条件・労働環境の整備の劣悪化による離職者が多いと予測される。この介護者の離職問題にふれる場合、「利用者・家族の介護職員に対する暴力」の問題もその関連する要因の一つに考えられる。本研究では、高齢者施設の介護現場において利用者・家族の暴力が関連してどのような問題が生じているのかを把握するために介護職員を対象とした実態調査をおこない、高齢者福祉施設における介護職員の心身に関連した労働環境について考察した。 その結果、施設内で利用者から介護職員が何らかの暴力を振るわれている実態が明らかで、他国をみても特異な結果ではないことが明らかとなった。また何らかの暴力を受けている介護職員は、それを個人的要因あるいは、利用者の疾病に起因するものや自分の中の問題として内包してしまう傾向が強い。内面の自己の価値基準を抑圧することにより、自己の感情を操作し、介護業務を行っている実態があり、感情労働との関連が深かった。またそのことは、離職問題へと発展することが予測された。 今後は、介護業務を感情労働と位置づける研究の蓄積、さらなる実態調査からの結果蓄積による「施設内暴力」の定義・指針作りが急務であると示唆された。
- 2010-03-31
論文 | ランダム
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