カール・バルトにおけるイスラエル理解の諸問題
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概要
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本稿の目的は、カール・バルトのイスラエル論を反ユダヤ主義の諸問題との関連において検討することにある。バルトは、終末論に基づく聖書解釈によってユダヤ教に対するキリスト教の優位性を相対化し、キリスト教神学が伝統的に用いてきた代替主義を退ける。更に彼は、第二次大戦中にナチスによる反ユダヤ主義が台頭する中で、イスラエルとは神に選ばれた証人であり、キリスト教は、その選びに基礎づけられているということを主張した。ホロコースト以後、多くの神学者たちは、バルトが結果的にイスラエルをキリスト教神学の内に包括していると批判した。しかしバルトは、反ユダヤ主義を介してユダヤ教とキリスト教の関係を神学的に理解しなければ、イスラエルの選びに基礎を置くキリスト教を見落としてしまうと考えていた。バルトは、ユダヤ人による救いに基礎を置くキリスト教徒として、反ユダヤ主義に抵抗する道を模索しようとする。
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