IPOと初値 : 高頻度データからの検証
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概要
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Welch[1992]は、IPO(Initial Public Offering) における情報カスケードを指摘したが、上場日当日の情報形成過程は初値にどのような影響を及ぼすのか。本稿では、同じ時期(2009年6月)に同じ取引所(東京証券取引所2部)に上場を果たした常和ホールディングスと八洲電機株式会社について、上場日当日における初値成立前後の高頻度株価データを対象として情報形成過程を分析した。両社の上場スタンスやアンダープライシングの程度は異なるものの、初値決定に至るまでの価格形成(とりわけ板寄せ以前の段階における情報形成過程)には共通の特徴がみられた。さらに、両社の初値成立後における時系列を、確率論的アプローチと決定論的アプローチの両方から検証し、その特徴を指摘した。
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