ピエゾ抵抗効果理論を適用したMOSトランジスタ特性の応力効果の解析(半導体材料・デバイス)
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概要
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結晶面{100}に形成され,ドレーン電流が<110>1軸成分のみのn-MOSFETに,ドレーン電流と平行及び直交する応力約200MPaを印加し,ドレーン電流の応力による変化率を測定した.直交応力によるドレーン電流の変化率に対する,平行応力によるそれの比が約1.7を示し,ピエゾ抵抗効果理論から予測される値とおおむね一致した.このことから,MOSFETにおけるドレーン電流の応力効果の軸依存性解析に,ピエゾ抵抗効果理論が適用できることを確認した.また,ドレーン電流の変化率がキャリヤの移動度の変化率に対応することから,応力によるMOS特性改善の指数になる.そこで,Si(001)及び(011)面に,n及びp-MOSFETを対配置し,両者に同一1軸及び等方応力を印加した場合について特性解析し,応力によるMOSドレーン電流特性改善指数の結晶軸依存性を可視化することで応力効果を概観できるようにした.特性改善の大きいCMOS配置について改善指数を比較した.応力に対する特性改善がほぼ線形な範囲内において,グローバル及び局所ひずみ技術を適用する場合の,応力とn及びp-MOSFETの効果的な配置を提示した.
- 2010-02-01